午前7時、駅前の三井ガーデンホテルをチェックアウトして、がんセンターに向かう。
今日の採血検査は、「早期採血」の枠が取れている。1日50人が、7:30から血液センターに並ぶことなく採血をしてもらえる。この枠に入ると、検査結果がすぐに出るため、診察も早まり、よって抗がん剤治療もほとんど待つことなくスムースに開始できる。
そのおかげで、K医師の診察は、いつもより30分早い午前9時に始まった。
「特にお変わりはないですかね」
「はい」
「血液検査は良い意味でお変わりはないです」
うむ。この「良い意味」というのは、一般的には分かりにくい表現だろう。だが、私にはその意味がよく分かっている。
私の血液検査の結果は、普通の人なら「アウト」な項目が少なくない。
例えば、赤血球やヘモグロビンの値は、下限値を下回っている。血小板も然り。
だが、赤血球1個当たりのヘモグロビン量が多いなど、「密度」でなんとか健康を保っている。
なので、「問題なし」として、抗がん剤治療がOKとなる。
ちなみに、ガン患者の抗がん剤治療については、多くの患者が血液の状態は異常値があると思う。腎臓の数値が悪い人もいる。かつては「肝臓が悪いと抗がん剤はできない」「制限して実施しよう」という話になっていたが、今では治療ができるように医療が進歩している。
で、私もこの日、無事、パスすることとなる。
「じゃあ、今日も抗がん剤、やりましょう」
ほっと安堵する。
実は、今回の血液検査に懸念を抱いていた。そのことをK医師に話す。
「先生、実は2日前、強度の高い筋トレをやってしまいまして。ちょっと今日の血液検査でひっかかるのではないかと青ざめていました」